仕事のメール返信で、内容は決まっているのに言い回しに悩んで、書いては消すのを繰り返す。気がつくと1通に15分かかっている。そんな経験はないでしょうか。
この記事では、その時間を短くする手順を説明します。やることはシンプルで、返信の事情を声でAIに話し、文章はAIに作らせ、仕上げと送信判断だけ自分でやります。2026年6月12日に確認したOpenAI、Apple、Microsoft、個人情報保護委員会の公式情報をもとにしています。
メールは声で「書く」のではなく、声で「事情を話して」AIに書かせる。仕上げと送信は、必ず自分でやる。
先に結論。流れは3つだけ
| 手順 | やること | かかる時間の目安 |
|---|---|---|
| 1. 話す | 返信に必要な事情を、声でAIに話す | 30秒から1分 |
| 2. 書かせる | 「丁寧めの返信メールにして」と形を指定する | 数秒 |
| 3. 仕上げる | 名前・日付・事実を直し、自分の言葉に整えて送る | 1から2分 |
なぜメール本文を直接音声入力で書かないのか。その理由は、考え方の記事で詳しく説明しています。一言でいうと、人に送る文章は推敲が必要なので、声で完成させようとしても楽にならないからです。
先に読む記事
用意するものは無料で揃う
- ChatGPTなどのAIチャット(無料版で十分)
- パソコンの音声入力。WindowsはWindowsキーとHキー、Macは設定でオンにする
- 新しい買い物は不要。マイクもまずはパソコン内蔵で十分
ChatGPTをまだ使ったことがない人は、先に始め方の記事を見てから戻ってきてください。
準備がまだの人へ
手順1. 返信に必要な事情を、声でAIに話す
ChatGPTの入力欄に音声入力で話します。きれいに話す必要はありません。言いよどんでも、順番が前後しても、AIは意図を汲み取ってくれます。話すのは次の3点です。
- 相手から何を言われているか(要点だけでよい)
- 自分はどう返したいか(結論)
- 条件や事情があれば添える(午後なら空いている、など)
たとえばこんな話し方で十分です。これは編集部が作った架空の例です。
「えー、取引先から金曜の打ち合わせを来週に変えたいって連絡が来てて、こっちは問題ないんだけど、午前は埋まってるので午後でお願いしたい、っていう返事にしたい。丁寧めで」
このとき、相手のメール全文を貼り付ける必要はありません。むしろ、相手の氏名、会社名、金額などはそのまま入れないほうが安全です。個人情報保護委員会も、生成AIサービスへ個人情報を入力するときの注意を呼びかけています。「取引先」「先方」「A社」のような言い換えで、下書き作りには十分です。
手順2. 答えの形を指定する
話の最後に、出してほしい形をひと言加えるだけで、下書きの精度が変わります。
| ほしいもの | 最後に言うこと |
|---|---|
| 普通の返信 | 丁寧すぎない返信メールの下書きにして |
| 目上の相手向け | 失礼のない丁寧な文面にして。ただし堅すぎないように |
| 短い返信 | 3行くらいの短い返信にして |
| 言いにくい内容 | 角が立たない言い方で、お断りの返信にして |
出てきた下書きが長すぎたら「半分にして」、堅すぎたら「もう少しやわらかく」と続けて頼みます。言い直すより、注文を足すほうが早く仕上がります。話し方のコツは別記事にまとめています。
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手順3. 出てきた下書きを、目と手で仕上げる
AIの下書きは、そのまま送るものではなく「8割できたたたき台」です。送る前に必ず次を確認します。
- 相手の名前、会社名、日付、時間、金額を正しいものに置き換える
- 事実と違うことが書かれていないか確認する
- 自分が普段使わない言い回しを、自分の言葉に直す
- 最後に一度、声に出すつもりで読み直す
3つ目が意外に大事です。AIの文面は整っていますが、自分の普段のメールと文体が違うと、相手に違和感を持たれることがあります。1、2カ所を自分の言葉に直すだけで、自然な返信になります。
状況別。話すことのテンプレ
よくある返信の場面ごとに、声で話す内容の型を置いておきます。「」の中を自分の事情に置き換えて話してください。
| 場面 | 話すことの型 |
|---|---|
| 日程変更の承諾 | 「日程変更OK。ただし○○の条件あり。丁寧めの返信にして」 |
| お断り | 「この依頼は受けられない。理由は○○。角が立たない断りの返信にして」 |
| お詫び | 「○○が遅れた。理由は△△。言い訳がましくないお詫びの返信にして」 |
| お願い | 「○○をお願いしたい。期限は△△。図々しく聞こえない依頼文にして」 |
| お礼 | 「○○してもらった。丁寧すぎない短いお礼の返信にして」 |
やってはいけないこと
- 相手のメール全文をそのまま貼り付ける(個人情報・社外秘が混ざりやすい)
- 氏名、連絡先、口座番号、契約金額などをそのまま話す
- AIの下書きを読まずにそのまま送る
- 重要な判断(契約、金額、謝罪の度合い)をAIに任せる
OpenAIのヘルプでも、ChatGPTは間違った内容をもっともらしく出すことがあると説明されています。下書きは任せても、最終判断は自分。この線引きさえ守れば、安心して時短できます。
毎日使うなら、呼び出しを楽にする
この流れが習慣になると、今度は音声入力を呼び出す操作(ショートカットキー)が面倒になってきます。毎日何通も書く人は、マウスのボタンに音声入力を割り当てる方法や、AI音声入力ソフトを検討する段階です。